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2022年新年度は原料・国際情勢による値上げへ

ロシアのウクライナ侵攻により原料高に。

2022年新年度にむけても、原料高の様相は変わらず、さらに鋼材価格に値上げ圧力がかかりそうです。原料炭価格が最高値を更新、4~6積み鉄鉱石価格も23%高に、予想を上回る高騰を続けています。さらに、ロシアのウクライナ侵攻により、半製品の需要が急騰しました。また、産出国である両国の紛争によるレアメタルの調達難も今後鮮明になってきます。

鋼管・鉄筋も値上げ継続

昨年来の高炉メーカーの値上げを受けて、継続するスクラップ高も反映させるため、国内高炉の値上げも継続し、JFE鋼管が鋼管類の20%UPを発表しました。時期を同じくして鉄筋各社も値上げを表明し、13年ぶりに高値を更新しました。

原油高が鉄鋼を直撃

鉄鋼原料以外にも燃料・石油・LNGなどの値上げを受けて高炉各社はメーカーの追加負担が月額十数億円に上ることを発表、4月以降の一段の値上げへの布石を打っています。

また、原油の今後の供給不足も、ロシアの動きを受けて予想されるため、更なる原油の急騰が始まりました。世界全体の需要の4%が不足するという予想も出され、今後も急騰を続ける見通しとなってきました。

原油高の動きを受けてトラック運賃も3%以上の上昇を続けています。この動きも鋼材価格の値上げに向けた動きを後押ししています。

非鉄金属高騰、ニッケルは史上初の暴騰

ロシアによるウクライナ侵攻が長引く中、アルミは天然ガスの供給難によるアルミや亜鉛の製錬の減産や閉鎖に繋がっています。昨年来高騰していたニッケルはその供給難にますます拍車がかかり価格が暴騰を始めました。異例の市場での取引停止になるなど、過去に例のない価格暴騰が起こっています。日鉄ステンレスは昨年の価格高騰を受けて3月契約分の1トン当たり2万円の値上げを発表しましたが、図らずも今回の値上がりと時期が一緒になってしまい、値上げ幅が少なく感じられますが、これは次回はさらに大幅な値上げをする前ふりのような動きになりました。それらの動きも含めて日鉄ステンレスは時を置かずに線材の値上げも緊急措置として5万円の値上げを表明しました。

スクラップ高13年8か月ぶりの高値

今年の新たな値上げのステージへ

トルコのスクラップ急騰を受けて日本のスクラップも13年ぶりの高値をつけました。過去2番目の上げ幅でした。これはロシアのウクライナ侵攻によるヨーロッパ向けのスクラップの調達難が直接の原因でトルコの市場が混乱したことが引き金になりました。この雨動きにあわせて、日本製鉄は棒鋼と線材の値上げを7月からトン当たり1万5千円もの大幅値上げを表明しました。

スクラップ高騰の影響はすぐに電炉各社の買値の上昇に反映し湾岸の価格上昇へ波及しました。日本全国に及ぶスクラップ高にすぐに移行しました。これらのスクラップ高は建設用鋼材の値上がり圧力を大きく助長するものになり、今後の値上がり圧力は高まりを続けていきます。

さらに、この影響が海外の輸入鋼材にも広がり、熱延コイルなどの対日本向け価格をCSC、ポスコともに1万円の値上げを4~6月から実施することを公表しました。

昨年に続く新たな値上げのステージへ突入した形になります。

東京製鉄4月契約1万円値上げ

スクラップの高騰を受けて東京製鉄は4月契約の販売価格を鋼板類で1万円値上げを表明ホット価格は過去最高値になりました。

日本製鉄も値上げ全品種へ。新年度の新たな大幅値上げへ

今後も止まらない鋼材値上げは立て続けに発表されました。最大手の日本製鉄はH型鋼を3月からトン当たり7千円値上げを表明しました。建設用鋼材の今年も値上げが確実になりました。さらに薄鋼板もトン当たり1万円の大幅値上げを発表しました。昨年に続き、今年も鋼材全体の大幅な値上げの動きが確定しました。さらに厚鋼板の値上げも発表し、今年の大幅な値上げの新しいステージに突入することとなりました。

2022.3.31

アダチ鋼材株式会社

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